特集

【ジャンクション夜景の撮影術③】インパクトのある印象的な写真が撮れるプロならではのテクニックを利用しよう!

昨今、工場夜景がブームになっていることは言うまでもないが、次に来る被写体のムーブメントとは?工場夜景にひけをとらないダイナミックな夜景がある。そう!それは「ジャンクション夜景」だ。大型建造物ならではの迫力と、夜景としての煌びやかな魅力が詰まっている。ここでは、ジャンクション夜景撮影の基本から応用まで、大迫力かつダイナミックに撮影できるテクニックを紹介しよう。

 

 

ジャンクションに限らず夜景写真はRAW記録が◎

夜景は昼間の写真に比べて、色の許容範囲が広い。私は撮影時にRAWで記録し、現像時にホワイトバランスなどの設定を変えることで、肉眼とは違う色で仕上げることも多い。一般的なジャンクションはナトリウム灯由来の赤い色が目立つので、ときには青を強調した仕上がりを楽しんでいるが意外と不自然さはない。これらの変更は撮影時にも可能だが、露光時間が長い夜景で色を変えて撮り比べるのは効率が悪い。RAWで撮影しておいて、後から設定を変えれば効率的だ。

 

応用テクニック

色味を変えてより印象的に仕上げる

 

WB「白色蛍光灯」

 

WB「2000K」

電球光のときはWB(色温度)によって赤っぽく、または青っぽく仕上げる
肉眼ではナトリウム灯の赤が強い被写体を、WB「白色蛍光灯」で撮影したのが上の写真。そして、RAW現像時にホワイトバランスのケルビン値を2000Kにして、青を強調したのが下の写真だ。クールな印象に仕上がった。商品撮影や証拠写真ではないので、イメージを強調した写真でもよい。色味は好みで選べばよい。

キヤノン EOS 5D Mark Ⅲ EF16~35ミリF4L IS USM 絞り優先オート F11 20秒 ISO400

 

 

最近多いLED照明はWB「白色蛍光灯」で白く写る
新しいジャンクションや街灯を付け替えた場所では、その光源はほとんどLEDだ。オレンジ色が主流の従来の照明と比べてLEDは白さが目立つものが多く、コンクリート壁も一層白く描写される。

キヤノン EOS 5D Mark Ⅳ EF16~35ミリF4L IS USM 絞り優先オート F11 13秒 ISO200 WB:白色蛍光灯

 

 

応用テクニック

魚眼レンズを使ってインパクトを出す

比較的広い画角のレンズが活躍するジャンクション夜景だが、魚眼レンズの活用も面白い。曲線が多用された高架道路が魚眼効果でさらに湾曲し、非日常感が強調される。

一直線に伸びる光跡を歪曲に描く
京都の大山崎ジャンクションを魚眼レンズで撮影。左右に伸びる光跡が、魚眼独特の描写でグニャリと曲がる。魚眼だと被写体との距離感が掴みづらいので、車道に出過ぎないように注意。ここでは柵の手前の歩道から撮影した。

キヤノン EOS 5D Mark Ⅲ シグマ 15ミリF2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE 絞り優先オート F11 20秒 ISO400 WB:白色蛍光灯

 

 

応用テクニック

周囲の状況を生かして作画する

その大きさからジャンクションに目を奪われがちだが、周囲を見渡せば、意外と主役に似合うモチーフを見つけることができる。私が好きなのは水面の反射を生かした水鏡や季節の花々だ。必ず見つかるとは限らないので、出会えたときは気分が高まる。水鏡は風が吹けば消えてしまうので、無風時に訪れるようにしよう。

水面反射を生かしてシンメトリー構図に非現実感を出すため青い色彩に仕上げる
田んぼの中にそびえる京都の久御山ジャンクション。実際にはかなり暗いので、ISO感度を上げて明るく写す。実像と川面に写った虚像が画面の上下で対象になるように、対岸の土手の位置を考えて構図を組み立てた。非現実感を表現しようと、ホワイトバランスをRAW現像で青を強調した仕上がりにした。

キヤノン EOS 5Ds R EF16~35ミリF4L IS USM 絞り優先オート F11 30秒 ISO1250  WB:マニュアル

 

 

開花時期ではなくてもジャンクション傍らの木や花の種類を確認しておけば、咲いてからの構図が予想できる。これらとジャンクションを絡めて撮るときは、モチーフが生きるように作画するのがコツである。

季節感を出しにくいジャンクション夜景に桜を添えて
東京・江北ジャンクションと荒川の土手に咲く八重桜(左手前)とソメイヨシノ(奥)。ジャンクションが主役のこの場所も、春の一時期だけは桜にその座を譲る。夜桜を長時間露光で撮る場合、風が吹くと枝がブレてしまうので、風のない夜に撮影しよう。

キヤノンEOS 5Ds R  EF16~35ミリF4L IS USM 絞り優先オート F11 15秒 ISO400 WB:白色蛍光灯

 

 

 

 

写真・解説/川北茂貴