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【ジャンクション夜景の撮影術②】放射状の光芒と、線状の光線をきれいに描写できる絞り値とは?

昨今、工場夜景がブームになっていることは言うまでもないが、次に来る被写体のムーブメントとは? 工場夜景にひけをとらないダイナミックな夜景がある。そう!それは「ジャンクション夜景」だ。大型建造物ならではの迫力と、夜景としての煌びやかな魅力が詰まっている。ここでは、ジャンクション夜景撮影の基本から応用まで、大迫力かつダイナミックに撮影できるテクニックを紹介しよう。

 

 

絞り羽根の枚数で光芒の描写が変わる

光芒は照明などから放射状に延びる光の筋のこと。光芒が画面にあることで、暗い夜空のアクセントになる。絞りを開放から2〜3段絞ることで、フィルターを使うことなく手軽に描写できる。光芒の形や数はレンズの種類に左右され、絞り羽根が偶数なら同数の、奇数ならそれの2倍の光芒が伸びる。

光跡は肉眼や動画、それに昼間の撮影では捉えられない、夜景写真ならではの描写。遠近感やスピード感を増幅させ、シャッターを開けている時間を1枚の写真に閉じ込めた感覚を鑑賞者に与える重要な表現手法だ。

光跡の撮り方は、車が通る場所を確認してあらかじめ光跡を描く位置を予想して構図を決めておく。あとは車の通過に合わせてシャッターを開けるだけ。数秒程度の短い露光時間では画面の途中で光跡が切れてしまうので、シャッターは10秒以上開けるといい。撮影後はモニターで確認し、納得がいく光跡が撮れるまで撮影を繰り返そう。

 

応用テクニック

光芒や光跡を画面のアクセントとして盛り込む

光芒あり・光跡あり

絞り羽根9枚のレンズで撮れば18本の光芒で輝きが増す
北九州都市高速の東港ジャンクション。構図の右に光跡を、左には光芒を入れてバランスをとった。このレンズの絞り羽根は9枚なので、その2倍の18本の光芒が豪快に伸びている。そして、高速本線の光跡は撮りづらいが、一般道なら割と簡単に撮れるので入れやすい。低い光跡は乗用車、高い光跡はトラックである。

キヤノン EOS 5D Mark Ⅳ  EF16~35ミリF4L IS USM 絞り優先オート F11 30秒 ISO200 WB:マニュアル

 

 


光芒なし・光跡なし

愛知の豊田ジャンクション。新しいジャンクションは照明を柱の上ではなく側壁に埋め込んでいるため、下からは明かりが見えない。カタチは面白いが、光芒も光跡もなく少し寂しい印象だ。
 

 

光跡なし

 

光跡あり

光跡を入れる場所を考えて構図を作る
京都の大山崎ジャンクション。光跡の有無で写真の見栄えが変わってくる。画面の上の高架と下の一般道に描かれた矢印の対比が面白く、一般道の光跡も加えて左奥へ続く遠近感を強調して作画した。光跡はシャッターごとに違った描写になり、同じ光跡は二度と撮れないので、納得がいくまで何度も撮ってみよう。

キヤノン EOS 5D Mark Ⅲ EF16~35ミリ F4L IS USM 絞り優先オート F11 13秒 ISO800 WB:白色蛍光灯(光跡ありの写真)

 

 

写真・解説/川北茂貴