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紅葉の名作は水鏡にあり!光を読んで水面の色彩を際立たせる【映り込み撮影術/紅葉編①】

今年も紅葉シーズンが到来した。水辺で撮影するときは水面にも目を向けてみよう。光に照らされた紅葉が映り込み、これまでとは違った紅葉風景を捉えることができる。朝夕の斜光に輝く紅葉が狙い目だ。

 

背景の紅葉に光が差すと水面に映り込む色彩が際立つ

暗い水面をスクリーンに光の当たった紅葉を映し出す

対岸の紅葉が水面に反射するとキレイな映り込みが見られる。風のない湖面や穏やかな川の流れなどのロケーションで狙ってみたい被写体だ。言わば水面がスクリーンの役割を果たすので、水面が陰になり、対岸にある紅葉に光が当たっているときにくっきりとした映り込みが見られる。日の出前や日没後など、どちらも日が当たっていなければ静かな雰囲気になる。お昼ごろは太陽高度が高くなり、水面にも紅葉にも光が当たることが多い。谷の深さによって時刻は異なるが、日が高く昇り切らない時間帯が、映り込み撮影のシャッターチャンスだ。

このとき色付きのよい紅葉が水面に映り込むように、ポジションや高さを微調整することでベストアングルを狙いたい。わずか1メートルポジションがずれただけで紅葉の映り込みが見られないこともあるからだ。

明るい紅葉が画面全体に映り込んでいればプラス補正、シャドー部を入れてメリハリをつけて映り込みを狙うときはマイナス補正で画面を引き締めたい。映り込みは岩や木立のシルエットを入れると引き立つことが多いので、露出オーバーには注意しよう。

 

光を受けた紅葉が陰になった水面に映える
氷河地形の末端に雪解け水が集まってできた小さな池がある。シルエットになった岩の形を生かしつつ、水面に映り込む紅葉を撮影した。陰になった水面に光を受けた紅葉がよく映える。

ニコンD700 AF-S ニッコール28~300ミリF3.5-5.6G ED VR 絞り優先AE F16 1/5秒 + 0.3 補正 ISO200 WB:晴天 三脚使用 長野県松本市穂高岳涸沢

 

 

光がキレイに当たるタイミングを逃さず捉える
森に囲まれた池に映り込む紅葉。シルエットになった木々のラインを生かすとカエデの赤がよく映える。森の中の紅葉は光の当たり方が刻々と変化するため、紅葉にしっかりと光が当たるタイミングを狙ってシャッターを切った。

ニコンD200 AF-S DXズームニッコール18~70ミリF3.5-4.5G IF-ED 絞り優先AE F8 1/8秒 -0.3補正 ISO100 WB:晴天 三脚使用 長野県軽井沢町雲場池

 

 

映り込みが輝く瞬間をキャッチ

紅葉に光あり

 

紅葉に光なし

 

対岸の紅葉に光が当たれば、水面へ映り込んだ紅葉が鮮やかになる。太陽が雲に隠れて光がなくなると沈んだような色になってしまう。水面が陰になり、対岸の紅葉に光が当たったときが、映り込みが輝く条件だ。

 

マイナス補正で映り込みの色に深みを出す

水面への映り込みは適度な陰影を生かすとメリハリが出る。シャドー部の影響によって補正なしだと露出オーバーになりがちだが、マイナス補正すると水面に映り込んだ深みのある紅葉の色を捉えられる。

 

光が淡い時間帯の映り込みは、幻想的な雰囲気を狙う

紅葉の映り込みを朝霧が幻想的に描く
風もなく冷え込んだ朝、湖面にはうっすらと朝霧が漂っていた。水面を這うような霧を生かし、映り込みをアップ気味に捉えることで朝の幻想的な雰囲気を引き出した。広い風景として撮ってしまうと霧や映り込みの印象は弱くなってしまっただろう。

ニコンD700 AF-S VRズームニッコール70~300ミリF4.5-5.6G IF-ED 絞り優先AE F22 1/2.5秒 -1補正 ISO200 WB:晴天 三脚使用 大分県由布市金鱗湖

 

月をアクセントに晩秋の雰囲気を再現
紅葉が葉を落とし始め、晩秋のイメージに包まれた知床五湖。日が暮れる時間帯を狙うことで、寂寥感漂う風景に仕上げた。月をワンポイントに入れて単調になるのを避けつつ、暮れるイメージを強調した。

ニコンD700 AF-S VRズームニッコール24~120ミリF3.5-5.6G IF-ED 絞り優先AE F11 2.5秒 ISO400 WB:晴天 三脚使用 北海道斜里町知床五湖

 

 

写真・解説/深澤武