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【月景の撮り方①】月をステキに撮影できるベストなタイミングとは!?

星空と同様に、月のある景色(月景)もフォトジェニックです。カメラが好きな人にとって、こちらも挑戦してみたい!被写体です。月も星の撮影と同じく、撮影方法の悩みは尽きません。ですが、やはり満月や三日月だと絵になりますしカメラを向けたくなります。これから流星群や皆既月食、火星の接近など、天体撮影では、イベントも盛りだくさん。月と地上風景を絡めた月景写真の撮り方やテクニックをご紹介いたしましょう。

 

 

月景写真のよくある失敗 ×

木の入れ方が中途半端で満月の描写もイマイチ

夜空を見上げると満月が昇っていた。手持ちのレンズでは月のアップは狙えないので、手前に木々を入れて撮影。しかし、構図が中途半端なうえ、肝心の満月の描写もイマイチ。

 

ここが残念 ×

① 地上の風景が生かされていない → 解決法①
② 月の位置がよくない → 解決法②
③ 露出が明るい → 解決法③

 

肉眼で見ているときれいなのに、撮影すると、そのきれいさが伝わらない!なんてことはよくあります。月をきれいに撮影するにはどうすればいいのでしょうか。

 

月の出や月の入りの時刻を確認したり周囲の情景にも目を向けたりしよう

月は星と違って、明るい街中でも見ることができ、撮影も行えます。しかし、ほかの天体よりもはるかに大きく見えるので、月自体に着目してしまいがち。結果、地表物や夜空のトーンなどに無頓着になることもしばしば。月景写真を撮るときは、星景と同様に周囲の情景にも目を向けましょう。

そして、月を撮影するためには月齢はもちろんですが、月の出や月の入りの時間を確認して撮影のタイミングを考えることも大切です。月は太陽と違って月齢で昇ってくる時間が異なります。

 

残念ポイント①地上の風景が生かされていない
【解決法①】月の高度が低いときに狙う

月景を撮るタイミングは、月が地上に近い時間帯に狙うことだ。高度が高くなって地上から月が離れると、地表物と絡めたフレーミングが難しくなってしまう。さらに、特徴のある地表物がある場所を選定することも大切。木立などはフレーミングしやすく、シルエットになっても絵になるので◎。

月と木立を絡めるには高度が低いことが大切

海沿いの丘にある木立。夕景撮影後に月が昇ってきたので、木立と重なる角度を探し出して撮影した。ピントは木立に合わせているが、広角レンズ使用のため、月がぼけている感じはない。

28ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 3.2秒) -2補正 ISO200 WB:オート

 

残念ポイント②月の位置がよくない
【解決法②】撮影タイムは月の出と月の入りが最適

前術したとおり、月景は月の高度の低いときに撮るのがベターで、月の出や月の入りの時間帯に狙うのがおすすめだ。月の出や月の入りは月齢で大きく変わる。具体的に説明すると、三日月は月の入りが夕方で、撮影は必然的に夕方になる。夕焼けとのバランスを考えて撮影するといい。一方、満月は日没後に東から昇り始め、日の出で太陽が昇るのと同時に沈む。故に、月景撮影のベストなタイミングは早朝や夕方になる。

早朝というよりはまだ深夜に近い時間帯に撮影

肉眼で東の空を見て、明るくなり始めているのがやっとわかるような時間帯。早朝というよりは、まだ深夜に近い感覚の時間帯だ。月の高度が低いことで、眼下に見える街の夜景と明るくなり始めたオレンジ色の空、そして月を1枚に収めることができた。

21ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 8秒) ISO250 WB:太陽光

 

残念ポイント③露出が明るい
【解決法③】暗い夜空はきちんと暗く表現する

カメラの露出計は、暗いものを明るく写してしまうことがある。月景も暗い被写体となるため、普通に撮影すると明るく写りがちだ。これでは月夜のイメージが台無しになるので、露出補正などを行って暗く写す必要がある。手軽に暗くするにはマイナスの露出補正が有効で、状況によって多少異なるが、目安はマイナス1~2だ。

 



 


マイナス1補正して夜のイメージにする

早朝に撮影した。上の写真は露出補正なし、だから明るく写っている。これでは月夜のイメージが伝わらない。そこで、マイナス1補正したのが下の写真だ。これなら夜のイメージを適切に伝えることができる。

 

月の撮影で、押さえておきたいポイントは、撮影の時間帯。周囲の情景が入る時間帯を選びましょう。また、空など暗い部分は、しっかり暗さを表現することで、月との明暗がしっかり表現できます。

 

写真・解説/秦 達夫