機材レポート

【CAPA本誌連動企画】伊達淳一のレンズパラダイス Other Shots 2020年9月号 ─ 中華系MFレンズを使い倒す

伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』本誌人気連載の「レンズパラダイス」。2020年9月号で掲載した中華系MFレンズの誌面では紹介仕切れなかったアナザーカットを紹介しよう。

 

伊達淳一のレンズパラダイス Other Shots

 

七工匠 7Artisans 25mm F1.8

七工匠 7Artisans 25mm F1.8

スペック
[レンズ構成] 5群7枚 [最短撮影距離] 0.18m [絞り羽根枚数] 12枚 (形状 : 開放から絞り込んでもほぼ円形)  [フィルター径] 46mm [大きさ] 最大径60×全長37mm [重さ] 約150g [マウント] キヤノンEF-M、ソニーE、富士フイルムX、マイクロフォーサーズ

参考価格 約9,900円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

七工匠 7Artisans 25mm F1.8 解像力&ボケチェック

解像は抜群で、素直で優しいボケ

絞り開放でもピント面の解像は抜群。後ボケも軟らかく、といって、ソフトフォーカスレンズのようなわざとらしいハイライトの滲みでもなく、実に素直で優しいボケ味だ。ボケのコントラストが高すぎないことで、シャドーの色乗りが良いのも魅力だ。

七工匠 7Artisans 25mm F1.8 作例

七工匠 7Artisans 25mm F1.8 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.8 1/1000秒 +0.7補正 ISO100 WB : 太陽光

 

近接能力も高く、にじみのない描写

このレンズは37.5mm相当の画角で18センチまで寄れるので、散歩中につい花などをクローズアップ撮影してしまう。近接撮影でも色にじみはほとんどなく、細かな毛までしっかり解像している。1万円でお釣りが来るレンズとは思えない描写力だ。

七工匠 7Artisans 25mm F1.8 作例

七工匠 7Artisans 25mm F1.8 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.8 1/500秒 +0.7補正 ISO100 WB : 太陽光


 

七工匠 7Artisans 55mm F1.4

七工匠 7Artisans 55mm F1.4

スペック
[レンズ構成] 5群6枚 [最短撮影距離] 0.35m [絞り羽根枚数] 14枚 (形状 : 開放から絞り込んでもほぼ円形)  [フィルター径] 49mm [大きさ] 最大径57×全長60mm [重さ] 約280g [マウント] キヤノンEF-M、ソニーE、富士フイルムX、マイクロフォーサーズ、ライカLバヨネット

参考価格 約14,580円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

七工匠 7Artisans 55mm F1.4 解像力&ボケチェック

 

色や階調に独特の艶やかさが感じられる

絞り開放からピント面の解像はかなりしっかりしているが、同社の25mmF1.8と比べると、前後の微ボケは硬め。チャート撮影でも軸上色収差はそれなりに残っているが、色や階調に独特の艶やかさが感じられる。

七工匠 7Artisans 55mm F1.4 作例

七工匠 7Artisans 55mm F1.4 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.4 1/500秒 ISO100 WB : 太陽光

 

近接撮影時はにじみが出てボケが柔らかい

近接撮影では絶妙なにじみが出てきてピント面もボケも柔らかさが出るが、解像はしっかりしていてしべの細かな毛までしっかり判別できる。ボケの硬さも和らぎ、シャドーまで非常に色乗りがよいのが特徴だ。

七工匠 7Artisans 55mm F1.4 作例

七工匠 7Artisans 55mm F1.4 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.4 1/160秒 +1補正 ISO100 WB : 太陽光

 

Machang Optical KAMLAN FS 28mm F1.4

KAMLAN FS 28mm F1.4

スペック
[レンズ構成] 7群8枚 [最短撮影距離] 0.25m [絞り羽根枚数] 11枚 (形状 : 開放から絞り込んでもほぼ円形)  [フィルター径] 52mm  [大きさ] 最大径58×全長66mm [重さ] 約348g [マウント] キヤノンEF-M、ソニーE、富士フイルムX、マイクロフォーサーズ

参考価格 約24,390円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

KAMLAN FS 28mm F1.4

 

実写では前ボケは硬くならず、解像度も高い

チャート撮影では前ボケは硬めな傾向が見られたが、このカットは前ボケを中心に撮影しているにもかかわらず、それほどゴチャゴチャとうるさい感じにはなっていない。ピントを合わせた中心の部分も、細かなテクスチャーまで再現されている。

KAMLAN FS 28mm F1.4 作例

KAMLAN FS 28mm F1.4

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.4 1/125秒 -0.3補正 ISO100 WB : 太陽光

 

近接撮影時はソフトフォーカスレンズのようなボケ表現が楽しめる

絞り開放の近接撮影時は、フレアがまとわりつくソフトフォーカスレンズ的な描写が楽しめる。ソフトフォーカスレンズやオールドレンズと違うのは、色収差が少なく、純粋ににじみの美しさだけを堪能できる点だ。

KAMLAN FS 28mm F1.4

KAMLAN FS 28mm F1.4

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.4 1/1000秒 +0.3補正 ISO100 WB : 太陽光

 

七工匠 7Artisans 60mm F2.8 Macro

七工匠 7Artisans 60mm F2.8 Macro

スペック
[レンズ構成] 7群8枚 [最短撮影距離] 0.26m [絞り羽根枚数] 10枚 (形状 : 完全な円形ではないが、角のない丸みを帯びた多角形)  [フィルター径] 37mm [大きさ] 最大径65×全長100mm [重さ] 約530g [マウント] キヤノンEF-M、ソニーE、富士フイルムX、マイクロフォーサーズ、キヤノンRF、ニコンZ

参考価格 約19,800円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

七工匠 7Artisans 60mm F2.8 Macro 解像力&ボケチェック

 

コントラスト低めだがしっかり解像しボケの色づきも少ない

絞り開放だとややコントラストは低めだが、ピントを合わせた部分はちゃんと解像している。軸上色収差も少なく、白い花が色づきなしに白いままぼけてくれるのも驚きだ。カリカリにエッジ立った描写でない分、ボケも柔らかくきれいだ。

七工匠 7Artisans 60mm F2.8 Macro 作例
 

七工匠 7Artisans 60mm F2.8 Macro 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F2.8 1/1600秒 +0.3補正 ISO400 WB : 太陽光

 

後ボケにやや二線ボケの傾向がある

ボケチャート撮影でもわかるが、後ボケよりも前ボケが柔らかく、後ボケは二線ボケとまではいかないが、ボケの輪郭が強まる領域がある。ただし、ボケのコントラストがあまり高くないので、それほどのうるささは感じない。ピント面はキレのよい解像だ。

七工匠 7Artisans 60mm F2.8 Macro 作例

七工匠 7Artisans 60mm F2.8 Macro 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F2.8 1/2000秒 ISO400 WB : 太陽光

 

中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III

中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III

スペック[レンズ構成] 7群10枚 [最短撮影距離] 0.50m [絞り羽根枚数] 11枚 (形状 : 角はあるが整った多角形)  [フィルター径] 67mm [大きさ] 最大径73×全長88mm [重さ] 約770g [マウント] ソニーE、キヤノンRF、ニコンZ

参考価格 約89,100円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III 解像力&ボケチェック

 

解像の芯のあるソフトフォーカス的な描写

チャート撮影では低コントラストでボケボケに見えるが、よく見るとピントを合わせた部分はやわやわではあるもののちゃんと解像の芯がある。ハイライトにまとわりつくフレアによるソフトフォーカス的な描写がこのレンズ最大の魅力だ。

中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III 作例

中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III 作例

ソニー α7R IV 絞り優先オート F0.95 1/500秒 +0.7補正 ISO500 WB : 太陽光

 

収差は発生しているが、それを生かした描写を楽しみたい

このレンズは、いい意味で収差のオンパレードだ。特に周辺部はさまざまな収差が混在しているので、ピントの芯を求める主要被写体は画面中央に配置が基本 (特にポートレートなら顔を中央に)。フレアは出まくりだが、中央は意外と解像する。

中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III 作例

中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III 作例

ソニー α7R IV 絞り優先オート F0.95 1/500秒 ISO500 WB : 太陽光

 

七工匠 7Artisans 35mm F1.4

七工匠 7Artisans 35mm F1.4

スペック
[レンズ構成] 9群10枚 [最短撮影距離] 0.40m [絞り羽根枚数] 11枚 (形状 : 完全な円形ではないが、角のない丸みを帯びた多角形)  [フィルター径] 46mm [大きさ] 最大径56×全長55mm [重さ] 約300g [マウント] ソニーE、ニコンZ

参考価格 約25,920円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

七工匠 7Artisans 35mm F1.4 解像力&ボケチェック

 

画面周辺部ではハロがやや目立つ

横浜大桟橋入り口にあるカフェ。APS-Cの範囲外は収差の影響で解像の乱れが目立ち、カフェの電球の周りに不思議な形をしたハロがまとわりついている。画面中央はまだ解像は安定しているが、ピクセル等倍だと少し甘さが残る。

七工匠 7Artisans 35mm F1.4 作例
 

七工匠 7Artisans 35mm F1.4 作例

ソニー α7R IV 絞り優先オート F1.4 1/30秒 +0.3補正 ISO500 WB : 電球

 

周辺光量低下や口径食は少なめ

レンズ補正なしのF1.4開放としては周辺光量低下や口径食は少なめ。木漏れ日のボケに少し縁取りが見られるが、ググッと被写体に寄って撮影したことでうるさいボケにならずに済んでいる。

七工匠 7Artisans 35mm F1.4 作例

七工匠 7Artisans 35mm F1.4 作例

ソニー α7R IV 絞り優先オート F1.4 1/640秒 +0.7補正 ISO100 WB : 太陽光

 

中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95 II

中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95 II

スペック
[レンズ構成] 8群11枚 [最短撮影距離] 0.35m [絞り羽根枚数] 9枚 (形状 : F2まで角のないきれいな多角形)  [フィルター径] 55mm [大きさ] 最大径62×全長59.5mm [重さ] 約440g [マウント] ソニーE、キヤノンEF-M、富士フイルムX

参考価格 約58,500円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95 II 解像力&ボケチェック

 

画面中央は高い解像で瓶のラベルもクッキリ描写

画面中央は絞り開放から高い解像が得られ、瓶のラベルの微妙なテクスチャーまで再現されている。後ボケもにじみを伴い、柔らかくぼけていく。周辺部の後ボケは像がダブったような部分もあるが、ボケのコントラストは低めで、全体にしっとりとした描写だ。

中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95 II 作例

中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95 II 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F0.95 1/2000秒 -0.3補正 ISO100 WB : 太陽光

 

後ボケの柔らかさは絶品

近接撮影になるとハイライトがにじみ気味になってきて、後ボケが実に柔らかく、後ろの花が緑に溶け込むようなぼけ感は絶品だ。適度なコントラストで色乗りもよく、ピントを合わせた花だけが浮き立って見える。

中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95 II 作例

中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95 II 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F0.95 1/640秒 +0.3補正 ISO100 WB : 太陽光

 

七工匠 7Artisans 35mm F1.2

七工匠 7Artisans 35mm F1.2

スペック
[レンズ構成] 5群6枚 [最短撮影距離] 0.35m [絞り羽根枚数] 9枚 (形状 : 完全な円形ではないが、角のない丸みを帯びた多角形)  [フィルター径] 43mm [大きさ] 最大径57×全長38mm [重さ] 約150g [マウント] ソニーE、キヤノンEF-M、富士フイルムX、マイクロフォーサーズ

参考価格 約20,700円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

七工匠 7Artisans 35mm F1.2 解像力&ボケチェック

 

ハロやフリンジによってソフトフィルターをかけたよう

開放F1.2の明るさを生かして夜景撮影してみると、絞り開放だとハロとパープルフリンジのオンパレード。しかし、解像は少し甘いものの、像の乱れや流れはあまりなく、ハロやフリンジの出方がソフトフィルターをかけたみたいな写りで面白い。

七工匠 7Artisans 35mm F1.2 作例

七工匠 7Artisans 35mm F1.2 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.2 1/30秒 -0.3補正 ISO1250 WB : 電球

 

フレアを生かした撮影をしたい

逆光にはとても弱い。光源が画角内にあるときはもちろん、画角のすぐ外にある場合も、虹色のフレアが光源から降り注ぐ。ただ、ポートレート撮影などでこのフレアをうまく利用できればフォトジェニックな写真が撮れるかも。

七工匠 7Artisans 35mm F1.2 作例

七工匠 7Artisans 35mm F1.2 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.2 1/30秒 -0.7補正 ISO1000 WB : 電球

 

Machang Optical KAMLAN FS 50mm F1.1 II

KAMLAN FS 50mm F1.1 II

スペック
[レンズ構成] 6群8枚 [最短撮影距離] 0.40m [絞り羽根枚数] 11枚 (形状 : 開放から絞り込んでもほぼ円形)  [フィルター径] 62mm [大きさ] 最大径72×全長68mm [重さ] 約563g [マウント] ソニーE、キヤノンEF-M、富士フイルムX、マイクロフォーサーズ

参考価格 
 [参考価格] 約28,220円 (税込)

■レンズの解像力&ボケチェックチャート

KAMLAN FS 50mm F1.1 II 解像力&ボケチェック

 

周辺でも像の崩れが少なくボケも柔らかい

開放F1.1と明るいレンズだが、絞り開放でも周辺光量低下はあまり感じず、周辺部が渦を巻いたり引っぱられたようにならないのは好感が持てる。前後のボケはフレアをまとって、非常に柔らかく、主要被写体をジャマしないのも魅力だ。

KAMLAN FS 50mm F1.1 II 作例
 

KAMLAN FS 50mm F1.1 II 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.1 1/200秒 ISO100 WB : 太陽光

 

前ボケがきれいなレンズ

水たまりに映った公園の遊具にピントを合わせてみた。ピクセル等倍で見ると、多少軸上色収差によるボケの色づきが感じられるが、ピントが合っている部分は整った描写で、前ボケもきれいなレンズだ。

KAMLAN FS 50mm F1.1 II 作例

KAMLAN FS 50mm F1.1 II 作例

ソニー α7R IV (APS-Cクロップ)  絞り優先オート F1.1 1/500秒 ISO100 WB : 太陽光