機材レポート

富士フイルム「X-Pro3」詳報! チタン外装採用でさらに“深化”した写真愛好家のための特別なカメラ

富士フイルムは、ミラーレスデジタルカメラ「Xシリーズ」のフラッグシップ「FUJIFILM X-Pro3」を2019年11月28日に発売する。ボディ外装に軽量・高強度で耐食性にも優れたチタンを採用。ボディカラーはブラックに加え、デュラテクト加工を施したDRブラック、DRシルバーの全3色をラインナップする。価格はいずれもオープン。市場予想価格は、ブラックが215,000円前後、DRブラックとDRシルバーは各240,000円前後で12月中旬発売予定(いずれも税別)。

 

チタンを採用した高耐久で落ち着いた佇まいのカメラ

写真撮影の原点“PURE PHOTOGRAPHY”をコンセプトとする「FUJIFILM X-Pro3」は、X-ProシリーズのDNAを受け継ぎ、小型軽量で高耐久ボディ、落ち着いた佇まいのデザイン、さらにファインダーを覗いて高画質な写真を撮影するカメラとして開発された。

 

X-Pro3ではトップカバーとボトムカバーに軽量・高強度で耐食性に優れたチタンを採用。ボディ内部にマグネシウム合金を採用することで、チタンの美しい色合い、質感を活かしながら高い機動性、耐久性を実現している。

 

しかし、剛性の高いチタンを加工してX-Proシリーズの細部までこだわり抜かれたデザインに落とし込むのは並大抵ではない苦労があったという。トップカバーのロゴはレーザーで刻印されており、最終的な仕上げは人の手で行っているのだそう。

 

今回登場した新色のDRブラック、DRシルバーは、このチタン外装に擦り傷への高い耐性と高品位な外観をもたらす「デュラテクト加工」を施したもの。DRブラックはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを施したもので、DRシルバーは素材にガスを浸透させて表面に硬化層を作る処理を行っている。

 

撮影に集中できるHiddenLCD&サブLCDの組み合わせ

背面の液晶モニターは約162万ドット・チルト式タッチパネルで、通常はボディ背面の内側に格納可能となる「HiddenLCD」仕様。約180°回転させることでローアングルなどの撮影が可能となる。

 

またボディ背面には、新たに採用された1.28インチ・カラーメモリ液晶モニターがあり、電源のON/OFFに関わらず、撮影情報を確認することが可能となっている。表示はフィルムシミュレーションの設定を写真フィルムのパッケージアイコンで確認する「クラシックモード」、シャッタースピードやF値などの撮影設定を確認する「標準モード」を切り替えることができる。

 

USB端子にはType-C(USB3.1 Gen1)規格が採用され、有線による本体充電が可能となっている。またボディ70か所にシーリングが施されており、防塵・防滴構造を実現。-10℃の耐低温性能も備え、本格的なフィールド撮影ができる。

 

ファインダーを覗いて撮る撮影スタイルの追求

X-Pro3は、光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)をレバー操作で瞬時に切り替えることができる「アドバンストハイブリッドビューファインダー」を搭載し、ファインダーを覗いて撮る撮影スタイルを追求する。このファインダーへのこだわりはX-Proシリーズの重要なコンセプトの1つでもある。

 

EVFには約369万ドットの有機ELパネルを新たに採用。従来はブライトフレームを表示するために液晶を採用してきたが、近年の有機ELパネルの進化により最高輝度1500cd/m2の高コントラストを実現でき、今回の採用に至った。暗い部分や明るい部分もEVF上で精緻に映し出すこと可能。忠実な色再現性も備え、高い視認性を発揮する。

 

EVFの表示設定には、「残像感低減」モードを新たに搭載する。残像感を抑えた約200フレーム/秒相当の滑らかなEVFの視界を実現し、素早く動く被写体を追従して撮影する場合などに威力を発揮する(パフォーマンス設定で「ブースト」モード選択時のみ使用可能)。またOVF上に小型EVFを同時表示できる「エレクトロニックレンジファインダー」機能を搭載。OVFで被写体を捉えながら、小型EVFで合焦部の拡大表示を行うといった使い方ができる。

 

作品づくりを支える色再現へのこだわり

X-Pro3は、Xシリーズ第4世代のセンサーである裏面照射型の2610万画素X-Trans CMOS 4センサーと高速画像処理エンジン X-Processor 4を搭載。アルゴリズムの進化により、 -6EVの低照度でも高速・高精度な位相差AFが可能となっている。任意のフォーカスレンジをあらかじめ設定できる「フォーカスリミッター」機能と組み合わせることにより、さらにスムーズなAFが可能だ。

 

また、「多重露出撮影」機能が進化し、最大9枚の画像をボディ内で重ね合わせて1枚の作品につくりあげることができるようになった。重ね合わせる画像の露出設定は、加算/加算平均/比較明/比較暗から選択できる。

 

独自の「フィルムシミュレーション」には、カラーネガフィルムをもとに画質設計を行った「クラシックネガ」モードを新たに搭載する。

 

「FUJIFILM X-T3」「FUJIFILM X-T30」に搭載されている「モノクロ調整」機能を「モノクロームカラー」として刷新。従来の暖色系・寒色系に加えてマゼンタ系・グリーン系を新たに調整可能とし、幅広いカラーグラデーションの中から好みの色を選択することができる。

 

フィルムが持つ独特の粒状感を再現する「グレイン・エフェクト」機能も進化。「強度」「粒度」の設定を変更することで、グレインの濃さ・粗さを調整することができるようになっている。

 

従来の「カラークローム・エフェクト」に加えて、新たに「カラークロームブルー」を搭載した。青空などブルー系の被写体に対して深みのある色再現・階調再現が可能となっている。斜めから撮影しているのでややわかりづらいが、次の写真の右が「カラークロームブルー」。

 

X-Pro3は撮ることにこだわり、無駄なものを削ぎ落とし、引き算をコンセプトにして開発されたとのこと。「万人に受け入れられるカメラではないが、純粋に写真とカメラを愛する人に向けた特別なカメラ」と称しているように、非常にこだわりの強いカメラ。それだけに、持つ喜び、撮る楽しみを味わうことのできるカメラと言えるだろう。発売が楽しみだ。