機材レポート

ゴーストもレンズ描写の“味”のひとつ!? 古き良き時代の超広角レンズ

中村文夫の古レンズ温故知新「SMC PENTAX 15mm F3.5」

smc PENTAX 15mm F3.5

このレンズは非球面レンズを使用したKマウント初期の製品。例外もあるが非球面を使用したレンズは、SMCが大文字表記になっている。

 

長く愛され続けた超ロングランレンズ

フィルム時代にペンタックスが発売した35mm一眼レフ用レンズの中で、いちばん焦点距離が短い超広角レンズだ。初代は1975年にねじ込み式マウントのSMCタクマーとして登場。翌年にバヨネット式のKマウントレンズに生まれ変わり、2005年ごろまで製造が続いた超ロングラン商品である。

対角線画角は111度。画角が極端に広いので、屋外で使うと太陽などの強い光源が画面内に入ることが多く、ゴーストの発生は避けられない。だが、ペンタックスのお家芸であるスーパーマルチコーティングの効果で画面全体に発生するフレアは少なく、コントラスト低下は意外と気にならない。

発売当初はツァイス製レンズが使われていた

このレンズはペンタックスとカール・ツァイスが技術提携を進めていた時代に誕生した製品で、発売当初はカール・ツァイス製の非球面レンズが使われていた。だが発売から間もなく提携が解消。Kマウントの初期ロットを出荷した時点で非球面レンズのストックが尽き、これを機に球面タイプに仕様変更された。

 

smc PENTAX 15mm F3.5

レンズ前面にフィルターが取り付けられないので、Y48、Sky、L39、O56フィルターを内蔵。とにかく前玉が巨大なので、持ち運びの際は表面にキズを付けないよう気を使う。

 

smc PENTAX 15mm F3.5

マウントはバヨネット式Kマウントなので、K1などのペンタックス製デジカメならアダプターなしで装着できる。

 

smc PENTAX 15mm F3.5

左上に太陽を入れた厳しい条件で撮影。画面右下に見事なゴーストが現れた。ゴーストの形から絞り羽根が6枚であることがわかる。周辺部の画質低下は少なく、敷き詰められたタイルの形が鮮明に再現された。

ペンタックス K-1 F8 1/640秒 ISO400 WBオート

 

 

〈文・写真〉中村文夫