機材レポート

これが1200mm相当の超望遠撮影を可能にする組み合わせ! オリンパスの2倍テレコン「MC-20」は野鳥撮影の切り札だ

被写体を素早く画面に収めるドットサイト照準器EE-1の活用

レンズの焦点距離が長くなると問題となるのが被写体の画面への導入。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROの600mm相当の画角ではそう難しいことではないが、1.4倍テレコンのMC-14や2倍テレコンのMC-20を使うと、画角が極端に狭くなり、ファインダーを覗きながら、被写体を探すのに時間がかかるようになる。

こんなときにあると便利なのがドットサイト照準器「EE-1」。照準器のスクリーンに表示されるターゲットマーク(照準)の位置をレンズの光軸の向きに予め合わせておけば、照準器のターゲットマークを被写体に重ねるだけで被写体がカメラの画面中央に収まるのだ。ファインダーを覗きながら被写体を探すより、目視で被写体の位置を確認し、ドットサイト照準器で位置を合わせるほうが素早く撮れる。特に野鳥を超望遠レンズで撮影する際にはおすすめしたい。


▲三脚使用時であれば、ドットサイト照準器EE-1をカメラのホットシューにセットする。照準器は開閉式で収納すると背が低くなり、取り付けたまま移動しても邪魔にならない。防滴に配慮した設計になっていて、小雨程度であれば問題なく使用できる。

 


▲ドットサイト照準器 EE-1の希望小売価格は15,000円(税別)。電源にはコイン型のリチウム電池CR2032を使用。赤いターゲットマークは明るさ調整が可能で、その位置は横(左右)方向と縦(上下)方向に調整できる。

 


▲ドットサイト照準器 EE-1のスクリーンにターゲットマークはこのように表示される。ターゲットマークの位置がレンズの光軸の延長線上に合わせてあれば、この状態で被写体はカメラの画面中央に収まっていることになる。

 

葉が生い茂る森の中でも野鳥の姿を素早く捉える


森の中で野鳥の姿を見つけ、超望遠レンズで捉えるのは骨が折れる。ファインダーを覗くとよく似た枝や葉に惑わされ、やっと野鳥の姿を捉えたと思ったら、飛び立ってしまった、という経験は数限りない。しかし、ドットサイト照準器EE-1を使うと、被写体を画面中央に捉えるまでの時間を短縮でき、シャッターチャンスも増える。写真はスズメよりも小さな体のエナガ。しかも、すばしっこいので、なかなかシャッターチャンスを掴めない。1200ミリ相当でここまで大きく、画面中央で捉えられたのも、EE-1があればこそだ。

オリンパス OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F8 1/125秒 ISO1600 WB:オート M.ZUIKO DIGITAL 2× Teleconverter MC-20、三脚使用

 

撮影領域を大きく広げる2倍テレコンMC-20と1.4倍テレコンMC-14をどう使い分けるか

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROにM.ZUIKO DIGITAL 2× Teleconverter MC-20を組み合わせた1200mm相当の焦点距離は、これまで撮影を諦めていた遠距離の被写体を撮れるようになる、という面で大きな戦力になる。描写性能は、M.ZUIKO DIGITAL 1.4× Teleconverter MC-14使用時より若干甘くなるが、それは拡大表示したときに気づくレベルで、大きな問題だとは思わない。
 
むしろ、今回気になったのは開放F値がF8になり、オートフォーカスの精度、スピードに不安を感じる場面があったこと。光量がたっぷりとある明るい屋外であれば、スッとピントが合うのだが、光量が少なくなる森の中で撮影すると、ピントが合うまでに時間がかかることがあった。これは、開放F値がF5.6になるMC-14使用時には無かった現象で、単純にMC-20使用時には開放F値がF8まで落ち込むために、コントラストの低い被写体への反応が鈍くなるためであろうと想像できる。
 
こうしたことから、被写体への接近が困難な河川や干潟での野鳥撮影には、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROにM.ZUIKO DIGITAL 2× Teleconverter MC-20を組み合わせ、森の中などの十分な光量が確保できないシーンでは、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROにM.ZUIKO DIGITAL 1.4× Teleconverter MC-14を組み合わせるのがベストだと感じた。
 
また、今回は使用するチャンスがなかったが、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROであれば、M.ZUIKO DIGITAL 2× Teleconverter MC-20を組み合わせても開放F値がF5.6と明るいので、オートフォーカスに不安を感じるようなことはないだろう。焦点距離は160〜600mm相当となり、野鳥撮影にとって使いやすいレンズとなる。
 
撮影シーンの選択には留意する点もあるが、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROのユーザーにとって、M.ZUIKO DIGITAL 2× Teleconverter MC-20は撮影の領域を大きく広げるマストアイテムであることは間違いない。


▲M.ZUIKO DIGITAL の2本のテレコンバーター。描写性能重視であれば、画質の落ちないM.ZUIKO DIGITAL 1.4× Teleconverter MC-14(右)がおすすめ。少しでも被写体を大きく撮りたい焦点距離重視の方であれば、M.ZUIKO DIGITAL 2× Teleconverter MC-20(左)を選びたい。

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