機材レポート

【レビュー】まるで「写ルンです」的楽しさ! 「LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D」で冬の北海道を撮影

LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dを手に冬の北海道へ

LAOWAのレンズ作りのテーマに置かれた「楽しく撮れるレンズ!」・・・とはいうものの具体的にはどういうことなのだろう?

 

筆者は、カメラやレンズのレビューアーでもあるが、風景写真家としても活動しているため、この時期冬の北海道で撮影することが多い。ならば・・・今回は、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dをミラーレス一眼「FUJIFILM X-H1」と組み合わせ、冬の北海道でどこがどう「楽しく撮れるレンズ!」なのかを試してみることにした。

 

レンズの操作性をチェック!

LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dは非常に軽量コンパクトで、冬用の防寒ジャケットのポケットにすっぽり収まってしまう。当然、持ち運びに苦労することは全くなかった。

 

このレンズは、ピントと絞りをレンズのみで完結させる(カメラ側からは変更ができない)マニュアルレンズで、ピント合わせはMFとなる。ピントリングの重さは、筆者の好みの重さだったのだが、絞りリングの重さは、個人的には少し重いかな・・・と感じた。ただ、冬の北海道での使用となれば、寒さでグリスが硬くなることもあるため、そのせいである可能性も考えられる。

 

また、絞りリングは、f2.8→f4→f5.6→f8→f11→f16→f22と、1段ずつ動く仕組みになっていて、絞りの節目にノッチがあり絞りリングが回ったことが確認できるようになっている。・・・のだが、カッチ!というノッチの節度感が薄く、個人的にはもう少し節度感が欲しいと感じた。

 

解像とコントラストをチェック!

解像とは、どれだけ高精細に描写しているか?ということなのだが、広角レンズの場合f8やf11まで絞りこんでいかなければ隅々までシャープさが出てこないレンズもある。しかし、このLAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dは、9mmという超広角レンズでありながら開放f2.8から良好で、f5.6も絞れば完全に立ち上がる。

 

コントラストは、明暗がはっきりしているかどうかを指すもので、高コントラストなレンズであるほどスカッと色ヌケが良く、画にメリハリが出ることになる。このレンズは、コントラストも高く、低コントラストのレンズでは苦手な水面の反射もしっかりと描写してくる。

 

気になるところ・・・

そのほか、コマ、球面、非点、像面等の各種収差、軸上色収差、倍率色収差も良好に抑えられており、新参メーカーとはいえ、レンズ性能は侮れないものになっている。

 

ただ、1点気になるところがある・・・それは周辺光量だ。

開放f2.8で撮影すると画の周辺部の光量が不足し、その部分が暗くなってしまう。これは絞りをf4やf5.6に変更することによって解消されてくるのだが、少々暗めかなという印象だ。

 

しかし!筆者の個人的な好みでいえば、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dの周辺光量の減少、通称「周辺落ち」は心地よい光量の落ち方で、もっといえば個人的には大好物の部類に入る。

 

昨今、カメラのデジタル技術の性能向上により、カメラ内にある光学補正ソフトウェアで様々な補正が掛けられるようになった。レンズを通して入ってきた情報に対し周辺光量、歪曲収差など収差はカメラ側のソフトウェアで補正する場合も多くなり、そのため最近はこうした周辺が少し落ちているレンズをあまり見なくなった。しかし、それは純正レンズに限った話で、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dは、カメラ側の補正は受けられない。

 

逆に考えると、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dはカメラ側からの補正を一切受けられないなかで、各種収差が非常に少ない印象で、光学のみで勝負していることになる。そう考えれば非常に高性能なレンズであると言えるだろう。

 

 

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