機材レポート

キヤノン「EOS R」を改めてレビュー! 3か月使ってわかった魅力と留意点【操作性編】

キヤノン「EOS R」は、同社では初となるフルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラです。写真愛好家層を中心に人気を集め、昨秋の発売以来、常に売上げランキングの上位を維持し続けています。その魅力は何なのか。キヤノンの一眼レフを長年愛用している筆者が、改めて実写レビューをお届けしたいと思います。前編となる今回は、主に操作性について見ていきます。

↑標準ズーム「RF24-105mm F4L IS USM」を装着したキヤノン「EOS R」。実売価格は25万6500円(ボディ)

 

 

柔軟なカスタマイズができる新しい操作系。従来ユーザーには慣れが必要?

EOS Rを使用してまず驚いたのは、これまでのEOSシリーズから操作系が大胆に変更されていることです。

 

まず、中級機以上のEOS一眼レフではおなじみであり、EOS操作系の個性ともいえるボディ背面のダイヤル(サブ電子ダイヤル)が見当たりません。サブ電子ダイヤルは背面ではなく、他社カメラでも一般的なボディ天面へと移動しました。古くからのEOSユーザーとしては少し戸惑う部分です。

 

といっても、EOSの独自性が失われたわけではありません。ボディ背面の上部には、今まで見たこともない新しい操作部材「マルチファンクションバー」が新設されています。

接眼部の右側にある細長いバーがマルチファンクションバーです。その右上には、従来とは異なるサブ電子ダイヤルがあります。

 

マルチファンクションバーのカスタマイズ画面。AFや感度などの機能を割り当てられるほか、誤操作防止の設定も可能です。

 

マルチファンクションバーは、スライド操作と左右のタップ操作という3アクションによって、各種機能を素早く設定するための仕掛けです。割り当て可能な機能は、AFやISO感度、ホワイトバランス、画像送りなど。物理的なボタンではなく、タッチパネルのように指で触れることで反応する点がユニークです。

 

ただ不用意に触って意図しない設定に切り替わったり、逆に設定を変えたいときに思ったように反応してくれなかったりするなど、その操作感には課題もあります。筆者は3か月以上使っていますが、いまだに慣れていません。動画撮影の際、作動音を出さすに操作できるというメリットは確かにありますが、個人的には「EOS 5D Mark IV」などに搭載されているマルチコントローラー(ジョイスティック)のほうが便利に感じます。

 

同じく新しい操作部材として、レンズ鏡胴部に追加されたコントロールリングにも注目です。リングの回転に、絞りやシャッタースピード、ISO感度、露出補正のいずれかを割り当てることで、各値の直感的な変更ができます。こちらについては操作感は良好です。

レンズ鏡胴部には、先端から順にコントロールリング、フォーカスリング、ズームリングの3つがあります。

 

コントロールリングの設定画面。シャッターボタンを半押ししながらリングを回して感度や露出補正などを変更できるようにも設定可能です。

 

さらに、新しい撮影モードとして、絞りやシャッター速度などを同一モード内で一括して変更できるFvモード(フレキシブルAE)を搭載したことや、モードダイヤルをモードボタンに変更したこと、各種ボタンのカスタマイズがいっそう豊富になったことなど、操作全般に関して意欲的な改良が図られています。


モードダイヤルの代わりにモードボタンを装備。ボタンを押して液晶パネルまたは液晶モニター、EVFを見ながらモードを選択します。

 


撮影モードの選択画面。INFOボタンを押すことで、静止画のモードと動画のモードを素早く切り替えられます。

 


電子ビューファインダー(EVF)には、0.5型の約369万ドット有機ELパネルを搭載。精細感が高く、視認性は良好です。

 


電源は、一眼レフEOSから継承したリチウムイオン充電池LP-E6Nを採用。撮影可能枚数は常温で約370枚となっていますが、実際の撮影では500枚以上撮れることもあります。

 


記録メディアは、SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II、UHS-Iカード対応)。シングルスロットである点は少々物足りなく感じます。

 


機動力の高さも大きな魅力。同じクラスのセンサーを搭載した一眼レフEOS 5D Mark IVに比べるとボディは一回り以上小型軽量です。

 


外装は防塵・防滴構造のマグネシウム合金製。深いグリップでホールド感は良好。標準ズーム装着時のバランスも取れています。

 


ボディ天面にはドットマトリクス表示パネルを搭載。各種設定の状態を素早く確認できるほか、ダイヤルファンクションを使って設定項目を選択する際にも役立ちます。

 


3.15型の約210万ドットTFT液晶を搭載。上下左右に可動するバリアングル式で、自由な構図での撮影がスムーズに行えます。

 

後編では実写編をお届けします。