機材レポート

【キヤノン歴代カメラ】キヤノン AE-1/AE-1PROGRAM マイコン制御により電子化された、大ヒットAE機

距離計運動機から一眼レフへ。そしてTTL測光から露出の自動化、各部の電子制御化と歩んできたカメラの歴史だが、キヤノン一眼レフには、そこにマウントの進化が関係してくる。RからFL、FD、ニューFDと時代の流れを追いながら、それぞれの注目機をピックアップしてみよう。

 

マイコン制御により電子化された、大ヒットAE機(since1976)

AE-1は、TTLマニュアル測光一眼レフが主流の時代、高価格帯だったAE一眼レフの常識を打ち破った製品である。大幅なユニット構造化とマイクロコンピュータによる集中制御方式を採り入れて生産の自動化や部品点数の削減を行い、高機能ながら低価格化とコンパクト化を実現。全く新しい「Aシリーズ」を生み出した。

一番の特徴は、シャッター速度優先AEの搭載だが、それにも増して“速写一眼”のキャッチコピーとともに別売パワーワインダーAを前面に打ち出した広告戦略がとりわけ若い世代に受け、カメラ史に残るベストセラー機となった。なお、露出補正ダイヤルが備わっていないのは、AEの使いこなしが当時まだ一般的ではなかったことに加え、大多数の写真 ・カメラファンの間ではラチュードの広いカラーネガやモノクロフィルムがメインだった事実もあったからだろう。

5年後の1981年4月には、後継機となるAE-1プログラムが登場。その名のとおり、シャッター速度優先AEに加えてプログラムAEモードが追加されたほか、ファインダー内の撮影情報を視認性の高いデジタル表示とした。また、全8種類のファインダースクリーンが専用工具により自分で交換できるようになった。さらに、上位機A-1同様のパームグリップの採用、モータードライブMAの共用化、新しいパワーワインダーA2に対応など、むしろA-1の廉価版とも呼ぶべき進化を遂げる。どちらも精悍さが溢れるブラックモデルはファン心理をくすぐった。これらがもたらしたパワーワインダー人気は、後の「Tシリーズ」にも影響を与えた。

 

CANON AE-1の特徴

大幅な電子化とユニット構造により、シャッター速度優先AEを搭載しながら、買い求めやすい価格を実現。別売パワーワインダーも人気を博した“速写一眼”だ。

 

シャッター速度優先によるAE機能

ニューFDレンズの絞りリングを緑色の「A」にセット。後はシャッターダイヤルでシャッター速度を設定すればシャッタースピード優先AEが使用できる。キヤノンEFから踏襲されたフィルム巻き上げレバーと同軸の大型シャッターダイヤルは、ファインダーをのぞいたまま右手人差し指1本で操作できるなど、シャッター速度優先AEを最大限に生かせる仕様となっている。

 

機能美が際立つシャッターボタンまわりのデザイン。フィルム感度の設定はシャッターダイヤルの外周リングを引き上げながら回転させて設定する。四角い小窓はフィルムカウンター。ソフトタッチのシャッターボタンの感触も特徴的だった。

 

セルフタイマーも電子制御

セルフタイマーは10秒の電子制御式。レ バーを前方に押し出して設定するとレバーの下から赤色LEDが現れる。

 

巻き上げも自動化できた「パワーワインダーA」

フィルムを自動巻き上げできるワインダーや高速連写可能なモータードライブはファンの憧れであり、実際AE-1とパワーワインダーAを一緒に買うユーザーも少なくなかった。コマ速の切り換えスイッチはなく、シャッターボタンを押す感覚で1コマと2コマ給送を使い分ける仕様である。

 

バッテリー室/バッテリーチェックボタン

 

ボディ前面に4LR44電池を収納する電池室が設けられている。軍艦部のフィルムマーク近くにはバッテリーチェックボタン。電子制御のAシリーズは電池が消耗するとシャッターが切れなくなるので、バッテリーチェックのしやすさは地味ながら重要な仕様といえる。

 

逆光補正ボタン(上)と露出読み取りスイッチ(下)/絞り込みレバー

AEロックではなく、逆光補正(+1.5EV)のためのボタンを備えている。当時はAEを使いこなすうえで、露出補正の考えがあまり広く浸透していなかったのがその理由。露出読み取りスイッチを押せば、露出の値がファインダー内に表示される。また絞り込みレバーを押し込めば、設定した絞り値に絞り込まれ、被写界深度が確認できる。

 

 

  1. 1
  2. 2
全文表示